~真哉SIDE~

疲れたな。

そう思いながらタオルで汗を拭き、ドリンクを口に含む。


学級対抗全員リレーに出場した俺が、見事1位を飾ったクラス。
未だに歓声がやまない。


「真哉くん、お疲れ様。はい、これ！」

『さんきゅ。』

今話しかけてきたのは、クラスで1~2を争ってる人気の女子【黒瀬藍乱】。
藍乱は確かに可愛いし、ハッキリ言ってモテるらしい。
そんなみんなの鏡の藍乱が好きなんて誰にも言えねぇ話で。


「おい、真哉。抜け駆けは良くねぇぞ？笑」

こいつ！(°ㅂ° ╬)

『抜け駆けなんてしてねぇ。そもそも俺は黒瀬なんて興味ねぇよ。』

俺の言葉が聞こえたのか、少し顔を曇らせた藍乱。
（ごめん、そんなつもりじゃ…。）
心の中で謝罪をすることしか出来ない俺は、自己嫌悪に浸っていた。