~藍乱SIDE~


『頑張れぇぇぇぇ！！！』

必死に叫ぶ。
この叫びは、クラスの勝利の為。

そして、大好きな君の為。



あたしは黒瀬藍乱。
今流行りの言い方をすると、JC3。
つまり、女子中学3年生。

今日は皆の待ちに待った体育祭。
のラストを飾る種目、学級対抗全員リレー。
このリレーは男子と女子に分かれてる。
あたしは、さっき女子の部で走ってきた！笑
そして、今目の前を走っているのが男子。

その中に一際目立って見える子がいる。
華河真哉。
真哉くんは、男子の中で一番足が速い。
そして、女子の中で人気3の男子。

カッコイイな？とか思うけど、好きにはならないらしい……。



「やったぁぁあ！」

えっ？！

『真哉くん、1位ゴールした？！』

「したした！」

歓声が止まない中、あたしは、すごくドキドキしていたんだ。


『真哉くん、お疲れ様。はい、これ！』

そう言ってカバンを渡す。

「さんきゅ。」


この一言にすごくキュンキュンするんだ。