エレベーターは結構な上層階に止まり、視界が開ける。
そして、突き当たりの重そうな扉を奴は開けた。
どんな派手な家なんだろう。
どんな豪華な家なんだろう。
そう思ったが……
案内された部屋は、黒を基調としたシンプルな部屋だった。
広々としたリビングに、オープンキッチン。
だけど、見たところ、キッチンはほとんど使われていない。
「あんた、普段何食べてるの?」
そう聞くと、
「カップラーメン」
優弥はキッチンの棚を開く。
そこには、ありとあらゆるカップラーメンが保存してあって。
思わず苦笑いした。
不健康にもほどがある。
金持ちになったのに、主食はカップラーメンか。



