やめて、そんなこと言わないで。 不意打ちとかズルいよ? 「……アンタ?」 あたしは聞き返し、身を乗り出し優弥の胸ぐらを掴む。 すると、 「す……すみません、紅様」 奴は言う。 言いながら急ブレーキを踏んだ。 タイヤがキキーッと鳴り、ゴムの匂いがする。 「はぁ?何やってんの?」 思わず聞くと、 「お前が手ぇ出すからだろ」 吐き捨てる優弥。 そんな優弥に、さらに突っかかっていた。