優弥は夜にも関わらず、すぐに迎えに来た。 真っ赤なBMWで。 この人は、どうしてこんなに派手な赤が好きなのだろうか。 赤いジャージに、赤い車に、……確か赤いギター。 もはやここまでくると、ただ者ではない。 レッドマン優弥と呼んでやりたい。 だけど、突っ込む気にもなれず。 お礼すら言わず、 「あんた、暇なの?」 聞いていた。 そんなあたしに、 「暇じゃねぇ」 優弥は言う。 「暇じゃねぇけど、アンタに会いたくなった」