「すげぇよな……
彼女から電話が来ただけで、こんなに嬉しいのか」
優弥は言う。
いつもの低くてぶっきらぼうな声なのに、なぜかすごく優しく聞こえる。
そして、またまたドキンとしてしまう。
……優弥のくせに。
きっと、今頃ド派手なジャージでも着て、煙草でもくわえて、新しい曲を作っているんだ。
みんなを虜にさせる、新曲を。
ふと、機内で会った女性を思い出した。
そして、思わず言っていた。
「乗客が、優弥のこと、カリスマって言っていた」
「そうか……」
再び沈黙。
この男……喜んだりしないの?
せっかくあたしが褒めてやったのに!



