あたしたちの間に、静寂が舞い降りる。
ようやくイラついてきたあたしは、電話を切ろうとしたが……
「忙しいけど、嬉しい」
ぽつりと彼が言った。
その言葉に、不覚にもドキンとしてしまう。
優弥のくせに。
それなのに、さらに彼は続けた。
「なかなか終わらねぇけど、頑張れそうだ」
なんでだろう。
なんであたしが優弥の癒しになってるんだろう。
そう思うと腹が立つはずなのに……
素直に嬉しかった。
それでも、このあたしが嬉しいなんて言うはずもない。
「あたしは、あんたのおかげで頑張れないわ」
わざと言ってやる。
すると、しばらくの沈黙。
気まずい沈黙は嫌いだ。
嫌いだから、電話を切ってやろうとしたのに……
