都内の某ホテルにあるバー。

あたしたちはそこにいた。

輝く東京の夜景を見ながら、お洒落なカクテルを楽しむ。

一人で酒に溺れるよりはまだいい。

例え、優弥ちゃんといえど、話し相手にはなってくれるから。

そして、愚痴を聞いてくれるから。






優弥ちゃんは相変わらず、派手な格好をしている。

白いコートに黒いパンツ。

そして、赤い花柄のシャツ。

ソフト帽からは金髪が流れ出ている。

優弥ちゃんは黒い大きなサングラスをかけているけど、それがさらに悪目立ちしていた。







少し離れたところにいるカップルが、興味津々であたしたちを見る。

その視線に耐えられず、



「優弥ちゃん。もうちょっと目立たないように出来ないの?」



あたしは聞いていた。




「あたし、優弥ちゃんの彼女と思われるの、すごく嫌だわ」