何だかすごく楽しい。 目の前にいるのはただの優弥なのに。 俺様で、冗談が通じなくて、趣味の悪い優弥なのに。 なのに、なんでこんなに楽しいんだろう。 高級フレンチを食べ、ホテルを出るあたしたち。 正気なあたしなら、自分の宿泊先へ直行だ。 もちろん一人で。 だけど、アルコールでアタマがおかしくなってしまったあたしは、なぜか優弥ともっと一緒にいたいなんて思う。 おもむろに優弥の手をぎゅっと握り、身体をすり寄せた。