こんなあたしを、優弥はじーっと見ていた。
その視線を感じるだけで、胸が甘い音を立てる。
本当にどうしてしまったの、あたしの身体。
そして、優弥はとうとう口を開いた。
「英語、上手いんだな」
「当たり前でしょ。
CAなんだから」
馬鹿にしているのか、優弥は。
そんな優弥に言ってやる。
「あたし、四歳までアメリカにいたの。
それに、大学の時も留学してたし」
「……そうか」
優弥は相変わらず低い声で呟く。
そして、にこりともしない。
せっかくあたしがデートしてやってるのに!
「だけど、蒼は英語出来ねぇ」
「当然よ。
蒼が生まれる時に、あたしたちは帰国したんだから。
それに、アイツ頭悪いし」
そう言って、ふと思いついた。
優弥に喧嘩を売る言葉を。
「ま、あんたのほうが、もっと頭悪そうだけど?」



