そっとあたしに触れたのに、その力はびっくりするくらい強い。
ドキッとして、ゾワッとして。
優弥の手を振りほどこうとしたのに、奴は離してくれない。
どうしよう。
たかが優弥なのに、奴が触れる腕が焼けそうに熱い。
心臓が飛び出しそう。
あたし……
このままじゃ、本当におかしくなる!
「変態!!痴漢!」
そう叫んだあたしの口を、手でぎゅっと押さえる優弥。
シャネルの香水の香りに頭がやられてしまいそう。
そして、頭が熱を持ってぼんやりする。
こんなあたしの耳元で、優弥は囁いた。
「メシ食いに行くか、俺とヤるか。
どっちにするか?」
「……はぁ!?」
素っ頓狂な声出すあたし。
何言ってんの?
後者なんて問題外だ。
死んでも嫌よ。
そう思うのに、顔が焼けるように熱くなる。
あたし、なに振り回されてるの?



