仕方なく待ち合わせ場所に向かうあたし。

優弥になんて会いたくないはずなのに、なぜか胸がドキドキする。

おかしい……

あたし、どうかしてる。






待ち合わせ場所に立っていた優弥は、やっぱり趣味が悪くて。

五十メートル先からでも、すぐに分かる。





恥ずかしい。

こんな優弥と歩きたくない。

今なら逃げることが出来る。

そう思うのに、逃げられないあたしがいた。

そして、なぜか顔がにやけてくる。



……変なの。







奴はあたしを見て、いつものしかめっ面のまま手を上げる。

あたしはそんな優弥を睨んでやる。

全くタイプじゃないのに、またまた胸がどくんと言った。