奴はゴーグルをかけていた。

アースカラーの落ち着いたウェアに、黒い帽子を被っている。

そのウェアを見ただけで、分かってしまった。





「あれ……蒼……」




思わず彼を呼ぶ。

そんな彼の近くに、三人の男性と一人の女性。

全員見覚えがある。

Fのメンバーと、蒼の彼女の唯ちゃんだ。






「ね……ねーちゃん……」




狼狽えた蒼を、思わず蹴り上げる。

蒼はあたしの蹴った腹部を押さえて座り込む。





蒼の馬鹿!

なんでこんなところにいるの?

また、あたしの恋を邪魔するの!?