あたしは赤い顔を隠すために、口元を押さえる。 そして、早々にこの場を去ろうとしたが…… 「紅がお世話になっています」 優弥は先輩に向かって軽く頭を下げる。 逃げようとしたあたしの手を、がっちり押さえて。 ドキドキドキドキ…… 鼓動がやたら速い。 優弥なんて、好きなはずがないのに!