本気になりたくない、ときめきたくない、そう思うのに、あたしのハートだけは素直だった。 優弥と近付くたび、視線が合うたび、胸の奥底が熱くなった。 お洒落なカフェでお茶をして、あたしの好きなショップを見たり、のんびり歩いたり。 そんな普通のデートなのに、優弥に惹きつけられるあたしがいた。 ……あたしがキュンキュンするのは、優弥の服装の魔法だ。 きっと、これがいつもの優弥に戻ったら、いつもの醜い言い争いが始まる。