「それなら良かったです」 にへらと頬を緩ませる智哉に、心の中で和むなぁと思う。 「アイス買いに行くんでしょ。割引し始めるかもしれないから急ぐよ」 売り切れになっちゃうのも嫌だし。 「確かにそうですね!! はい!」 そう言って差し出してきた手にキョトンとする。 「えっと、智哉...?」 その手はなんの手? 「走ろうかと思って手を差し出したんですけど...」 嫌でした?と徐々に声が小さくなっていく智哉に首を横に振る。