それから毎日海斗君にお弁当を作って持っていった。
そして卒業式。
私は首席卒業した。
卒業後は兄の時雨と同じ日本で一番頭がいい名門の大学へ進学した。
兄は二つ上だから、大学三年だ。
卒業式の日、帰りに海斗君に家へ呼ばれた。初めて行く。
そこは豪邸だった。
ピーンポーン
「冬華さん、今行く。」
「いらっしゃい。黙っててごめん。家、実は世界二番の財閥なんだ。」
「そうなんだ。言ってくれなかったのは悲しいけど、今言ってくれたしね。」
そういえば、海斗君は、ずっと成績が私の次に良かった。
「私も後で言いたいことがあるんだ。」
「分かった。ごめん」
入ろう。僕の部屋でいい?」
「うん。」
家は私の家よりは小さいけどかなり大きい。


