「女の子の匂い嗅ぐなんて、この変態っ!!」

「………………」



空振った右手で首筋を触れば、何だか熱い。

それが余計に頭に来て睨み付けてやる。



「さっきからアンタ、聞いてんの!?」

「………………」

「え、まさか言葉通じないとか!?」



私の声に耳だけが反応する。

犬って何語!?いや、犬は犬語か。

犬語ってなんだよっ!!?

…もうヤダ、こんな夢ヤダ…



彼は何か考えるような顔をしてから、また少し開いた距離を詰めてきた。

そして、脳内パニックの私を軽々と抱き上げたのだ。



それも俵かつぎで。



思わず、ギャーと全く可愛くない声を出してしまった。