「俺も嫌われたもんだな」
柏木さんはそう言って、笑いながら自分の席に座る。
この人……全く響いていないんだろうか。
そして、あたしが落ち込んでいることも知らないのだろうか。
あたしが嫌っても、柏木さんは痛くも痒くもないのだろうか。
「……仕方ないので、宿泊先手配します。
もちろん別々のホテルで」
あたしは静かに言う。
柏木さんがこっちを見たので、慌てて下を向く。
なんだか柏木さんを直視出来なかった。
こんなあたしに、
「南條さん。
それなら、やっぱり土曜日はどうですか?」
高柳君が聞く。
柏木さんにイラついたあたしは、「いいよ」と言おうとしたが……



