「南條さん。 もし良かったら、土曜日にでも映画観に行きません?」 高柳君は相変わらず爽やかに……さらっとあたしをデートに誘った。 あたしは驚いて高柳君を見つめる。 そして高柳君は、王道のハリウッド映画の名前を挙げた。 あたしも観たかったんだよな、その映画。 高柳君とは趣味も合うのかもしれない。 だけど、柏木さんのことが気になって仕方がない。 柏木さんなんて嫌いになることが出来たら、どんなに楽なんだろう。