「ごっ……ごめんなさい!
ごめんなさい!!」
何度も謝る柏木さんが可愛くて……
あたしは、その黒髪に手を伸ばした。
柏木さんの短い毛がツンツン当たる。
そして、頭の熱をほんのり感じた。
やっぱり胸は熱い。
張り裂けそうなほど、きゅんきゅんと悲鳴をあげる。
だけど、柏木さんはもう、茹でタコみたいに真っ赤になっていて。
「はゎゎゎゎ」
泣きそうな顔で震えている。
柏木さん、本当に女性経験がないんだ。
もしかして、付き合ったことすらないのかもしれない。
それでも、キモいなんて全く思わなくて。
「大丈夫です」
あたしは柏木さんに笑っていた。
笑いながら、その髪を優しく撫でていた。
大丈夫です、そんなに不安に思わないで。
あたしは、あなたのこと、こんなにも好きなんです。



