あたしは苦笑していた。
突っ込みどころ満載すぎて、何も言えない。
だけど……
「南條さん……」
あたしを見る柏木さんは、捨て猫のようで放っておけなくて。
そして、キモオタなのに、あたしの胸がどくんと言う。
やっぱり、あたしは柏木さんの全てが好きなんだ。
カッコイイ柏木さんはもちろん、素のキモオタ柏木さんだって。
「ごめんなさい」
あたしは柏木さんに謝っていた。
そんなあたしを、柏木さんは驚いた顔で見る。
視線がぶつかり、やっぱり顔が熱くなる。
「ごめんなさい……
酷いことを言って」
「とんでもないです」



