なのに…… 「柏木さん。 あたし、状況が飲み込めないんですが」 あたしは、目の前に座っている柏木さんを睨んだ。 柏木さんは気まずそうにあたしを見る。 まるで、怯えた子犬のようだ。 こんな柏木さん、見たこともない。 「柏木さん、あたしを振りましたよね」 柏木さんは、ビクッと身体を震わせる。 「あたしのこと、たいして好きでもないのに、魔法使い卒業のために付き合うんですか?」