「柏木さんは無理って言われてるよ」 昼休み。 食堂で同期の可奈が、同情の眼差しであたしを見た。 「柏木さんはカッコよくて、性格もよくて、仕事も出来るのに、 入社してから今まで、彼女がいないって有名だよ?」 「知ってるよ」 あたしは口を尖らせて可奈に言う。 「知ってるけど、あたしはイケると思った。 柏木さんと仲良しだし……」 「そうやって、たくさんの人が振られてきたんだよ?」 可奈は空になった食器を重ね、お茶を飲む。