柏木さんのことは、これ以上考えてはいけないと思った。

柏木さんなんて放っておいて、新しい恋を探そうと思う。

それでも、やっぱり柏木さんの存在が気になってしまって。

整理中の書類とにらめっこをしながら、柏木さんをちらりと見た。






短めの少しワックスで散らした黒髪。

ピシッとアイロンがかかっている白いシャツ。

そして、切れ長の瞳に上品な口元。

……そう、柏木さんはイケメンだ。

それでいて、気さくで話しやすくて。

憧れの先輩だったのだ。