しーん…… 部屋の中が静かになった。 そして、人々の視線を一斉に浴びた。 注目されるのは嫌いだ。 だけど、なんだかスッキリした。 少しだけでも、柏木さんのためになれたのだから。 「南條! お前、何言ってんだ……」 柏木さんは河田さんの前に突っ立ったまま、泣きそうな顔であたしを見た。 その顔は、カシタカではなくて、オタクの柏木さんのものだった。 そんな顔、しないで欲しい。 柏木さんは不敵なカシタカでいて欲しい。 批判されるのは、あたしだけでいい。