こんなあたしに、柏木さんは容赦ない。
「昨夜、確かに俺の家に南條は来たぜ?」
そこ、肯定して、しかも大声で言ってしまうの?
「女が男の家に来るなんて、何があったか分かるだろ?」
なっ……何にもないですから!
それに柏木さん、手ぇ出して来ないでしょ!!
と叫びそうになりながらも、何も言えなかった。
やっぱり嬉しかった。
柏木さんはあたしと付き合っていることを堂々と宣言してくれたから。
モテモテのカシタカなのに、平々凡々なあたしと付き合ってくれていると。
脳内ピンクのあたし。
こんなあたしを、もちろん気持ちよく見ていない人もいた。
そしてその怒りの矛先はあたしではなく、なぜか柏木さんに向けられることになる……



