「……いいですよ、別に」 あたしは、キモオタ柏木さんには弱いらしい。 本当はキツイことをたくさん言ってやりたいのに、なよなよしているキモオタ柏木さんを前にすると、何も言えなくなってしまう。 それなのに、柏木さんは顔を赤くして続ける。 「みみ澪ちゃん、良くないです! しっかり謝らせてください!!」 またまた土下座でもしそうな勢いだ。 どうせ、なんであたしが悲しんでいるかなんて分かっていないのに。 不必要なことで謝っているに決まってるのに。