仕事を終え、柏木君とオフィスを出る。 柏木君はやたら小娘を気にしていて。 「柏木君、早く行くよ?」 あたしは甘えた声で、柏木君の手を引いた。 「……あぁ」 そう言いながらもなお、小娘を気にする柏木君。 あの女のどこがいいんだろう。 普通だし、仕事だって出来ないし、ナマイキだし。 それなのに、柏木君に贔屓されている。 あたしは彼女が嫌いだ。 柏木君は小娘を気にしているのに、小娘は柏木君に見向きもしない。 ヤキモチか。 そしてそれがあたしにとって快感だ。