「美月、もういいから……」 柏木さんは困ったように言う。 だけど、 「柏木君。もう少し頑張らないといけないわ」 河田さんは離さない。 「じゃ、南條に……」 柏木さんはあからさまにあたしを見ているのだけど、あたしは思いっきり無視をする。 そして、 「高柳君」 高柳君のデスクへ歩み寄った。 高柳君はいつもの爽やか笑顔であたしを見た。 「高柳君、この報告書、一緒に考えてくれないかな」 高柳君は笑顔のまま頷いた。