河田さんは口を噤み、高柳君を睨む。
高柳君を刺し殺してしまいそうな目つきだ。
それでも、高柳君は毅然としていて。
河田さんにさらに告げる。
「河田さんと柏木さんがそんな様子だから、南條さんだってイラつくんです。
ここはオフィスです。
イチャイチャするなら、外でお願いします」
河田さんはその綺麗な顔を歪めた。
今にも高柳君に襲いかかりそうなほど。
そんな河田さんは美人だけど、おっかないと思った。
だけど、河田さんは冷静な口調で言う。
「じゃあ、外で話の続きをしましょう、柏木君?」
勝手に行けばいい。
二人の世界に入ればいい。



