「河田さんが来て、焦ってるんでしょ?」
「慧太郎には関係ないし!」
あたしは慧太郎を睨んで言う。
慧太郎を睨んでいると、だんだんイライラしてきて。
不機嫌なあたしはさらに続けた。
「慧太郎はモテるから、あたしの気持ちなんて分からないよ。
柏木さんだって分かってくれない」
慧太郎は相変わらず童顔だが綺麗な顔であたしを見る。
「あたしが彼女なのに、まるで河田さんが彼女みたいじゃん。
……虚しいよ」
「でも柏木さん、澪のこと心配してた」
その言葉に耐えきれなくなって、あたしは叫んでいた。
「あたしの身体の心配でしょ?
心の心配はしてくれないよ?」



