柏木さんはあたしの手を握ったまま、飛び上がった。
それはもう、一メートル近く。
そして、あたしは柏木さんの手を握ったまま、下を向いている。
柏木さん、やっぱり引いてしまったよ。
それに、今となっては後悔しかない。
あたし、こんなに柏木さんに惚れていると思ってもいなかった。
今のあたしは、柏木さんと同室なんて大丈夫なの?
お風呂もトイレも同じだし。
わざとダブルベッドにしてしまったし。
ドキドキして休まらないよ。
それでも、あたしは柏木さんに言ってやる。
「柏木さんが悪いんですからね」
柏木さんはおどおどとあたしを見た。
「同じ部屋なら抱いてやるって言うんだから」
あたしの言葉を聞いて、蒸気が出そうなほど真っ赤になる柏木さん。
自分がそう言ったくせに。
だけど、柏木さんとそうなってしまったことを想像して、あたしも真っ赤になる。
だめだ。あたしたち、相当なバカップルだ。



