「あたし、嫌いじゃないです、柏木さんと言い合うの」 「南條さん……あなたって方は……」 柏木さんはなおも顔を真っ赤にして、少し潤んだ瞳であたしを見ていて。 その綺麗な顔から目が離せなくなると同時に、もっと柏木さんに触れたくなる。 あたし、馬鹿だな。 ヤケになって、柏木さんと同室になんてしなければ良かった。 大丈夫なんだろうか、柏木さんと同じホテルに泊まって。 あたし、おかしくならずに済むのだろうか。