あたしは柏木さんに酷いことをしたのに、
「南條さん、謝らないでください」
柏木さんはそう言ってくれる。
柏木さんの言葉が、あたしの胸に重くのしかかった。
「南條さんは、こんな俺と付き合ってくれています。
……すすすごく嬉しいです」
柏木さんは、幸せそうに笑う。
その笑顔が、あたしの胸に沁みわたった。
こんな柏木さんを見て思った。
あたしは、柏木さんを手放したくない。
柏木さんの一番の理解者になりたいと。
「好きです、南條さん」
胸が痛い。
そのストレートで不器用な言葉にやられてしまう。
あたしも好き。
すごく好きです。
