ーside柏木ー
俺が中学生の時。
その出来事は起こりました。
俺は初めて、女の子に恋をしました。
隣の席の、七海ちゃん。
明るくて、快活で、まさしく天使みたいな女の子でした。
俺は七海ちゃんに震え、赤くなり、陰から覗き、後を追い回し
……と、今から考えれば、ストーカーみたいなことをしていました。
それで、耐えきれなくなった俺は、七海ちゃんに告白する訳です。
すると、七海ちゃんは、ゴキブリでも見るように、俺を見ました。
そして笑いながら言いました。
「えー。柏木君、キモいもん」
え……
きききキモい!?
硬直する俺に、七海ちゃんはとどめを刺す。
「柏木君、ストーカーだし、ダサいし。
それにオタク研究部でしょ?
あたし、オタク嫌いなんだよね」



