「まだ時間はあるし、大丈夫ですよ」 そう言うあたしを、 「南條さん……今日は優しいです」 柏木さんはうるっとした瞳で見る。 「だって今日の柏木さん、あたしに喧嘩売らないでしょ?」 「喧嘩なんてしたくありませんっ!」 柏木さんは赤くなったまま、口を尖らせる。 そんな柏木さんがやっぱりツボで。 もっと話したい、もっと笑い合いたいと思ってしまう。 あたし、こんな素直な柏木さんが大好きだ。 喧嘩どころか、不器用すぎてなんだってしてあげたくなるほどに。