「なな南條さん! 新幹線、もうすぐ来ます。 急ぎましょう」 柏木さんは慌てていて。 スーツケースを引いて、猛ダッシュを始める。 「ま……待ってください!」 そんなスピードで走れないあたしはあたふたするが…… ゴンッ…… 柏木さんはすごい勢いで柱にぶつかり、倒れてしまう。 そして、顔を真っ赤にして起き上がった。 そんな間抜けな柏木さんを見ていると、やっぱり楽しくて、そして愛しくて。 心から笑っていたんだ。