「東京に早めに行って。
……ちゃんと、まともなデートをします。
プランもしっかり考えてきます。
もう、南條さんを悲しませません!」
「ふふっ……」
嬉しくて、思わず笑ってしまった。
そんなあたしを見て、
「……何ですか?」
柏木さんはさらに赤くなる。
そんな柏木さんの手を握ったまま、あたしは告げた。
「楽しみです」
すごくすごく楽しみ。
柏木さんとデートが出来るなんて。
例え柏木さんの趣味のオタクの聖地に連れて行かれても、柏木さんの隣なら笑っていられる……かもしれない。
なんて考えるあたしは、重症だ。
いつの間にかこんなに、柏木さんにのめり込んでいる。