あたしは、柏木さんの手にそっと触れた。 大きくて男らしい手。 その手に触れた瞬間、身体をビクッとさせて顔を強張らせる柏木さん。 そして、 「はぁっ……」 変な声を出す。 そんな様子がやっぱり可愛くて。 そのまま、手をぎゅっと握った。 ドキドキドキドキ…… あたしの鼓動も速い。 胸が破裂しそう。 真っ赤な柏木さんは俯いて震えていて。 「大丈夫です」 あたしは、静かに言う。 そして、柏木さんの手に少し力を込めた。