「それでも……やっぱり、ごめんなさい」




柏木さんは弱々しく言う。




「南條さんを傷つけて、なな泣かせてしまって」




KMAPのカシタカに言われると、きっと怒って許さないって豪語しただろう。

だけど、キモオタの柏木さんには弱いようだ。

胸がきゅんとして、可愛いなんて思ってしまって。

きっと、一般的に見て柏木さんはキモいんだろうけど、あたしは全然キモいなんて思わない。






あたしは柏木さんを見て、にっこりと笑う。

自然に頰が緩んでしまった。

そんなあたしを見て、柏木さんはまた耳まで真っ赤になる。





「あたしも、ごめんなさい」




柏木さんに謝る。




「柏木さんの気持ち、疑っていて」





だけど、柏木さんの言葉を聞けて、すごく嬉しかった。

好きって言われるだけで、こんなに安心して、こんなに嬉しいなんて。