あたしは、颯斗が泣き止むまで背中をさすっていた。 「ごめんね希ちゃん、もう大丈夫」 そう言って微笑む颯斗の目は赤くなっている。 「うん」 あたしが返事をすると、立ち上がった颯斗。 「仏壇はこっちよ」 冬子さんは先にリビングを出て行った。 その後ろに2人で続く。 立派な仏壇には、昨日見た無邪気に笑う裕斗君と、目元が颯斗に似ている英斗さんの写真が並んでいた。 あたし達は並んで座って、静かに目を閉じて手を合わせた。