「あ、帰る時に手を合わせてあげて?裕斗と、英斗さんに」 「え?」 思わず顔を上げた颯斗は目に涙を溜めていた。 ずっと、我慢してたんだね… 「1年前に事故で亡くなったわ、居眠り運転の車に跳ねられて…」 即死。 そう言ってるようだった。 「英斗さんも最後まで颯斗の事を心配してたわ」 「……っ」 その言葉でまた下を向いた颯斗は肩を震わせていた。 「颯斗…」