ー颯斗sideー
俺には、裕斗(ヒロト)っていう2つ下の弟がいた。
お互い唯一の兄弟だったから仲良くて、希ちゃんと清羅君みたいに何をするにも一緒だった。
でも、俺が小学6年生で裕斗が4年生の時だった。
「兄ちゃん!公園行こうよ!」
いつものように俺は裕斗に遊びに誘われた。
でも、その時は中学入試が迫ってて。
俺は将来医者になりたかったから、エスカレーター式で行く中学じゃなくて、もっと上の中学に行く気だった俺は遊びよりも勉強を優先した。
「受験勉強しないとダメなんだ、また今度な」
「でもっ…」
「俺は医者になって、裕斗を助けるんだ。そしたらいっぱい遊ぼう!」
裕斗は小さい頃から心臓が弱かった。
だから激しい運動は出来ない。
でも、外で遊ぶ事が大好きな裕斗を見て、俺が助けなきゃって思ったんだ。
だから、勉強しないとダメっていう思いが強くて、
「分かった、じゃあ俺1人で遊んでくるね」
そう言った裕斗の顔が寂しげで泣きそうな事に気がつかなかったんだ。


