「どうしたの?」


何も知らないフリをして首を傾げる。


すると、我に帰る3人。


「あ、いや、昨日同じような事を銀龍に言われてな」


ほらね。


でもあたしは今、何も知らない普通の女子高校生だもの。


銀龍なんて知らない。


「そうなの?」


哲は静かに頷いた。


「説教されたよ」


困ったように笑って頭の後ろをかく哲。


「希にも言われたように、ちゃんと本当か嘘か見分けて、正しい道に進むから」


そう言った哲は、今だに泣いてる千歳の頭を優しく撫でて微笑んだ。


これで月影はもう、同じ過ちは繰り返さないだろう。