連れて行かれたのは、もちろん月影の倉庫。


「哲!おかえり〜!…って、その子どぉしたの?」


月影の倉庫の2階、幹部室だと思われる部屋に入ると、長峰に抱きつく女。


こいつは、月影の姫の飯田貴子(イイダタカコ)だ。


そう言えば、長峰の彼女だっけ。


部屋には他に3人座ってる。


みんな、あたしを見て驚きを隠せないでいる。


そりゃ、これだけボロボロの姿見て驚かない奴はいないだろう。


自分でやったんだけどね。


「誰かにヤラれそうになったらしくて、逃げてたみたいだから連れてきた。貴子、シャワーと服貸してやれ」


長峰はそう言うと、1番大きいソファに腰を下ろした。


そしてあたしは、


「こっちだよ!」


貴子に腕を引かれ、シャワールームに連れて行かれた。


「ここに洋服置いとくねぇ」


「あ、ありがとうございます」


そして、出て行った貴子を確認してシャワーを浴び、置いてある洋服に着替える。