「誰かっ…はぁ、はぁ……助けてっ…」


来ていた白いワンピースは、所々汚れてたり破かれてたり、髪もボサボサ。


そして、怯えたような声を出し、フラフラしながら走る。


すると、


ドンッ


「きゃぁっ!?」


誰かにぶつかって、尻もちをつく。


「す、すみません!ごめんなさい!ごめ…なさいっ……」


顔も見ず、謝って泣き出す。


「どうしたお前、何でこんな…大丈夫か?」


優しく声をかけてくれたのは、''たまたま''ぶつかった長峰哲(ナガミネテツ)。


こいつが月影の総長だ。


「うぅ…知らない、男の人に…犯され、そうに……」


我ながら名演技だと思う。


女優でも目指そうか。


そして、演技だって気付かないこいつは


「そうか、大変だったな。でももう安心しろ、俺が守ってやるから」


って言ってあたしを抱き締める。


何が、守ってやる、よ。


誰に向かって言ってんだ。


まぁ、任務だし、守られてやるよ。


「ホント、ですか?」


「あぁ、俺達の所に来い」