「ここだ…」


目の前にはきれいな2階建ての家。


表札には『黒戸』の文字。


あたしは、蓮華のお母さんに会いに来たんだ。


ピンポーン


チャイムを鳴らすと中から聞こえる声。


ドアが開くと、姿を現したのはきれいな女性。


長い黒髪が特徴的で、優しげな雰囲気。


どことなく、蓮華に似ている気がする。


「どちら様ですか?」


「初めまして、沢神希と申します。黒戸華子さん、ですよね?」


「えぇ、そうですが…」


「あの、あたし蓮華さんとお付き合いさせてもらってて…」


蓮華の名前が出ると、華子さんは驚いた表情を見せた。


「詳しく聞かせて下さるかしら、中へどうぞ」


「はい」