「悠司はどこ行った?」


いつの間にか降りてきていた清羅がそう言うと、


「ここだよ」


本人は携帯を片手にどこからか戻って来た。


「希の無事を報告してきたんだ」


さすが悠司。


やる事が早い。


「無事で良かった。おかえり、希」


悠司はあたしに視線を移すと、そう優しく微笑んだ。


「ただいま。勝手に飛び出してごめん」


すると、後ろから鼻で笑う声が聞こえて


「希の勝手にはもう慣れてる」


そう言いながらあたしの横を通り過ぎていく清羅。


「ひど…」


しゅんとなるあたしに、振り向いた清羅は微笑んでいた。


「早く帰ろうぜ、親父が待ってる」


「うんっ」