そんな時、ガラッという音と共に浴室の扉が開いた。


姿を現したのはもちろん光輝。


「おはよ希、上がったらこの服着てね、今日はお客さんが来るから」


光輝の手元には真っ白のシンプルなワンピースがあった。


「いつ来るか分からないから、なるべく早く出るんだよ?」


そう言い残し出て行った。


あたしは一言も話さない。


だからと言って光輝も何も言わない。


「はぁ…」


お客さんって誰なんだろ。


鬼塚組に関係する誰かだろう。


何であたしまで?


今までこんな事無かったのに。


なるべく早く出るんだよ?


なんて、言葉では優しく言ってても、内心早く出て来いって思ってる。


意外と短気だからな。


だからあたしは大人しく従う。


体を拭いて言われていた白のワンピースを着る。


着てみると分かるのが、露出が多い。


キャミワンピで、胸元はがっつりあいてて丈も短い。


お客さんが来るっていうのにこんな服を着せるなんて、一体何を考えてるんだ。